ミノキシジル(リアップ、ロゲイン)の副作用と育毛効果まとめ

薄毛で悩む人にとって、「その育毛剤や発毛剤がどのくらい効果があるのか」ということは、深刻な問題です。薄毛の改善には、マッサージや生活習慣の見直しも大切ですが、やはり育毛剤や発毛剤に頼る部分が大きいからです。

そこで、発毛剤としての歴史がもっとも長く、利用者も多い成分である「ミノキシジル」の副作用と効果について、ここで詳しく確認しておきましょう。

ミノキシジルとは

ミノキシジルは、化学式「C9H15N5O」で表される化学成分です。ファイザー製薬によって血管拡張薬の有効成分として開発され、1960年代から高血圧を治療するための降圧剤として認可・使用されてきました。

しかし、ミノキシジルの使用者に多毛症の副作用が見られたことがきっかけで、ミノキシジルに発毛効果があることが発見されました。

ミノキシジルの副作用

医薬品は人の身体に生じた不都合な状態を、化学的・強制的に修復する力をもっています。そのため、なんらかの反動として副作用が起きるのは、当たり前のことです。「副作用はつきもの」として理解しておきましょう。

理論的にありうる副作用

ミノキシジルはもともと血管拡張薬なので、理論的には、血管の過剰な拡張に伴う副作用が起きるのは、ごく自然なことといえます。具体的には、血圧の急激な低下や、それに伴う頭痛や意識混濁、むくみ、めまい、かすみ目などがあります。

発生例の多い副作用は?

しかし、現実にミノキシジルの副作用として最も多く報告されているのは、頭皮のかゆみ、にきび、発疹などです。

これはミノキシジルが含まれている製品に添加されている、プロピレングリコールやエタノールなどへのアレルギー反応の可能性が高いですが、正確な理由は明らかにされていません。

なお、ミノキシジルを含んだ製品の開発段階で、強い動悸や不整脈、胸痛などの報告があった事例がありますが、これらの症状がミノキシジルに由来する副作用かどうかははっきりしていません。

頭皮に塗布するタイプなら過度な心配は不要

すぐに効果を発揮する強い血管拡張薬は、飲用または舌下投与するものがほとんどで、塗布しただけでは大きな効果はありません。肌にテープを貼って薬剤を少しずつ体内に浸透させる薬もありますが、即効性はありません。

したがって、市販されているミノキシジルを含んだ製品のように、薬剤を頭皮に塗るだけなら、上記のような強い血管拡張薬に見られる重大な副作用は、心配しなくても大丈夫でしょう。

ミノキシジルの発毛効果

ミノキシジルの発毛効果は、どのような仕組みによってもたらされるのでしょうか?発毛の仕組みから考えてみましょう。

発毛させるには毛球を活性化させることが必要!

毛乳頭と毛母細胞によって構成される組織は「毛球」と呼ばれ、毛細血管と直接つながっています。そして毛細血管から運ばれる酸素と栄養が毛球に届くことで、正常な細胞分裂が促進され、発毛につながります。この仕組みは、次の2つのステップによって成り立ちます。

  1. 毛根部にある毛乳頭が、毛母細胞に対して発毛=細胞分裂の指示を出す
  2. 毛母細胞が分裂して角化し、毛髪として皮膚の上に生える

つまり毛髪とは、爪と同じく、細胞が角化した=死んだものといえます。

したがって発毛を促すためには、毛髪そのものに働きかけてもまったく意味はありません。重要なのは、毛乳頭細胞や毛母細胞がある「毛球」を活性化させることです。

ミノキシジルで発毛する根拠

発毛を促進する方法としては、「血管から十分な酸素と栄養を届けること」と「毛球内の細胞分裂を強制的に促すこと」の2つと考えられています。

血管拡張薬だったミノキシジルには、発毛に効果がある根拠として、次の2つの理由が挙げられます。

根拠1.血流改善説

血管が拡張すると、全身の血流が改善されます。したがって、ミノキシジルを体内に取り入れると、血流が良くなることによって毛球に十分な酸素と栄養が届けられると同時に、不要な老廃物を回収することができます。そうすると毛球の働きが活発になり、発毛につながると考えられます。

根拠2.毛球活性化説

ミノキシジルには、なんらかの力で毛球に直接働きかけて、細胞分裂=発毛を引き起こす効果があるとも考えられています。ただ、この説が理論的にどのような仕組みで成り立っているのかは、正確には明らかにされていません。

実は、ミノキシジルの発毛効果の根拠としては、この「毛球活性化」説のほうが「血流改善」説よりも優位に立っています。実際にミノキシジルを含んだ医薬品は、 毛球活性化が推測される臨床データに基づいて医薬品としての申請をし、認可されています。

しかしその理由は、「毛球活性化を推測させる結果が臨床試験で多く認められたから」というやや曖昧なものです。この説を正しい理論で裏付けるのは、まだまだ先のことになりそうです。

「毛球活性化」説はなぜ生まれたのか?

この説が生まれた背景には、ミノキシジルの飛びぬけてすぐれた性能があります。

たとえば国内で行われたある臨床試験では、頭皮全体がハゲた患者にミノキシジルを投与した結果、毛髪が全体にしっかり生えてきた人は10%、頭皮の一部から毛髪が生えてきた人は60%に達しました。軽微な改善があった24%も加えると、全体の94%に発毛効果があったということになります。

参考: 大正製薬株式会社 リアップX5プラスの発毛効果データ

このようなミノキシジルの高い発毛効果を目の当たりにした医師や研究者は、「果たして『血流の改善』だけが根拠なのか?」と疑問を抱きました。

頭皮の血行を改善する効果は、ミノキシジルを含んでいないほかの育毛剤にも認められますが、それらにはミノキシジルのような顕著な効果はありません。だとすれば、「血流の改善」は発毛の絶対的な根拠になりえず、ミノキシジルに特有の作用であるとも言えません。

「ミノキシジルのなかに未知の力があり、毛球に直接働きかけているのではないか」という説は、こうして生まれたのです。

エステサロンの存在が「毛球活性化」説を支えている?

この説の確かさを裏から支えるのが、「脱毛のメカニズム」です。エステサロンなどで脱毛処理を行う場合、強い光線を使って毛球を破壊します。

この処理は一度で終わることはなく、数回くり返されます。毛球内の毛乳頭細胞や毛母細胞は、身体のなかで最も分裂の激しい細胞であり、とても頑丈にできているので、何度も光線をあてないと死滅しません。

しかし、それだけ頑丈な毛球も、時には「居眠り」をすることがあります。細胞分裂が一時停止すると発毛のサイクルも止まるので、たちまち薄毛になります。ということは、逆に居眠りをしている毛球を強制的に起こせば、再び正常な発毛サイクルがスタートし、簡単に発毛すると考えられます。

いくら血流が改善されても、居眠り中の毛球を起こすことはできません。ミノキシジルには、「眠りから目覚めさせる」未知の力があるはず…。このような考えから、「毛球の活性化によって発毛を促進する」という説がミノキシジルの発毛効果の有力な根拠とされています。

ミノキシジルの発毛効果は頭頂部にだけ作用する

ミノキシジルを含んでいる製品は、「頭頂部の薄毛」に効果があります。毛球の活性化によって発毛を促進するのなら、頭頂部以外の場所でも発毛するはずと思われがちですが、報告事例によると、額の生え際が後退するいわゆる「M字ハゲ」にはほとんど効果が認められていません。

市販されているミノキシジルを含む製品

ミノキシジルは原則として医師の処方により入手すべき医薬品です。以下で紹介する市販の製品は、医薬品として流通しているものではありますが、使用にあたって医師から直接指導を受けることはできません。また、同等・同量のミノキシジルを市販の製品で購入する場合、医院で処方されるミノキシジルよりもはるかに割高になります。

ロゲイン

ミノキシジルを使用した世界初の発毛剤が「ロゲイン」です。日本では医薬品として認可されていないので、個人輸入で入手するほかありません。ただし使った結果、副作用が起きても、自己責任として処理されます。認可されていない医薬品で起きた事故は、国に対して賠償責任などを求めることができないので、注意しましょう。

リアップ

ミノキシジルを使った医薬品として、日本で初めて製造販売されたのが「リアップ」です。ミノキシジルの含有量は1%と5%の2種類あります。日本で販売されている唯一の発毛剤であり、国内で流通するすべての発毛剤・育毛剤のなかで、最大のシェアを占めています。

カークランド

近年海外で流通を拡大している製品で、ロゲインのジェネリックとしてアメリカで認可・製造・販売されている発毛剤です。当然、国内の医院で処方を受けることはできません。なお、「カークランド」とはコストコのオリジナルブランドを総称するもので、本製品の正式名称ではありません。

ロニテン

ミノキシジルを有効成分とする内服型の血管拡張薬「ロニテン」が海外で販売されています。「副作用」としての発毛効果に期待して目的外使用されているので、発毛剤として認可されている薬ではありません。当然、日本では未認可です。

内服する場合、頭皮に塗る場合に比べて吸収率が格段に高まるため、副作用が強く現れる傾向があります。この薬を個人輸入して患者に実費で販売している医院が一部ありますが、医師の助言をもらえるからといって副作用が少なくなるわけではないので、注意しましょう。

ミノキシジルは発毛効果を認める臨床データが豊富にあり、薄毛に悩む人にとっては心強い存在です。ただ、「強い薬には強い副作用がある」という原則があります。ミノキシジルを含む製品を使う場合、必ず用法・用量を守り、医師や薬剤師の指導を受けるようにしましょう。

ページの先頭へ戻る