デュタステリド(ザガーロ)の副作用と育毛効果まとめ

AGA(男性型脱毛症)の経口治療薬として有名な成分は、フィナステリドです。これと同じく、AGAの原因であるDHT(ジヒドロテストステロン)を阻害する作用を持つデュタステリドという新しい成分が、注目を集めています。

AGAによる薄毛治療を考えている人にとっても、まだ耳慣れない成分かもしれません。このデュタステリドの副作用や育毛効果について、詳しく紹介していきます。

デュタステリドの基本情報

デュタステリドは、英国グラクソ・スミスクライン社によって、前立腺肥大症の治療薬として研究開発された成分です。2001年にアメリカの食品医薬品局、2009年に日本の厚生労働省において、前立腺肥大症の治療薬として承認されました。

そして臨床実験や治療の過程において、患者に発毛作用が見られたため、さらに育毛・発毛治療の薬としての研究が進みました。2015年9月にはAGAの治療薬として厚生労働省から承認され、2016年6月より「ザガーロ」という薬剤名で、皮膚科や育毛クリニックで処方されています。

デュタステリドの副作用

AGAは、男性ホルモンのテストステロンと体内にある5α-リダクターゼ酵素が結合して、DHTという別の男性ホルモンを生成することが原因で発症する、男性型の薄毛・ハゲの症状です。

デュタステリドは、AGA治療の新薬として効果が大きいとされる反面、ホルモンや内臓器官への影響もあるため、様々な副作用が起こる可能性があります。ここでは、主な副作用について詳しく見てみましょう。

副作用1. ED(勃起不全)、性欲減退

AGAの原因であるDHTが生成されるには、2つの理由があります。5α‐リダクターゼ酵素が体内に多い場合と、テストステロンの量が少なくなっている場合です。このようにして男性ホルモンの分泌が減ると、身体の中では男性の健康と機能を維持するために、別の男性ホルモンであるDHTをつくり出そうとします。

5α‐リダクターゼ酵素を抑制するデュタステリドを服用すると、男性ホルモンの分泌が減少します。すると、勃起不全や性欲減退という性機能の低下が表れる可能性があります。

副作用2. 精子濃度の低下や睾丸痛

デュタステリドの作用で男性ホルモンが減少すると、精子の量が減る可能性もあります。また、精子をつくっている睾丸に、痛みや腫れが生じることもあります。

副作用3. 乳房の女性化、乳輪の痛みや腫れ

デュタステリドによって男性ホルモンが減少した場合、女性ホルモンが優位になります。すると乳房がふくらんだり、乳首の周りに痛みや腫れが生じたりするなどの副作用が起こることがあります。

副作用4. 肝機能障害のリスク

デュタステリドは肝臓で代謝されますが、成分が半減する期間が1ヶ月程度と長いため、肝臓への負担がかかります。特に、肝機能が衰えていたり肝臓の病気があったりする場合は、デュタステリドを摂取すると血中濃度が一気に上昇する危険性があります。

副作用5. 血圧の急激な変化による頭痛やめまい、吐き気など

デュタステリドは経口薬であるため、胃腸で吸収された後、血管を通って体内に運ばれ、肝臓で代謝されます。そのときに血管の収縮や拡張作用が大きく出た場合、血圧が急に上がったり下がったりします。こうした血圧の急激な変化によって、頭痛やめまい、吐き気などの症状が現れることがあります。

副作用6. じん麻疹やアレルギー症状

5α-リダクターゼ阻害薬へのアレルギーがある場合や、薬品に対して敏感な体質の人は、皮膚のかゆみや発疹、ひどい場合には全身にじん麻疹が出るようなアレルギー症状が出る可能性があります。

こんな人は、デュタステリドの服用を避けるべき

強い副作用が懸念されるデュタステリドは、服用するべきではない人や、取り扱いに注意しなければいけないケースがあります。AGA治療にデュタステリドの服用を考えている人は、自分に当てはまる項目がないかを必ず確認してから、医師に相談しましょう。

  • 肝機能障害がある、または肝疾患の治療中
  • 子作り計画中、またはその可能性のある人
  • 不妊治療中
  • 他者に輸血の必要がある、または輸血を希望している場合
  • 高血圧、または降圧剤を服用中
  • 重度な低血圧
  • 他のAGA治療薬を使用中
  • 過去に5α-リダクターゼ阻害薬でアレルギーが出たことがある
  • 強い薬品にアレルギーがある
  • 女性
  • 未成年

注意点1. 子作りや輸血は4〜5ヶ月おいてから

デュタステリドが肝臓で完全に代謝されて、体内から完全に消えるまでには、12〜20週かかります。そのため子作りや輸血などは、デュタステリドの使用を止めてから4〜5ヶ月おいて計画しましょう。

注意点2. 子供や女性が触らない場所で管理

デュタステリドに女性や子供が触れた場合、皮膚から成分が吸収されて、ホルモン分泌異常などの副作用が起こる可能性があります。自宅での薬品管理には、十分に注意するよう心がけましょう。

注意点3. 前立腺がん検査は医師に申告して

デュタステリドは、前立腺肥大治療薬でもあります。そのため、前立腺がんの腫瘍マーカーであるPSAの数値を低下させてしまうことがあり、がんの早期発見を見落とすことにもなりかねません。デュタステリドを服用していて前立腺の検査を受ける場合は、必ず医師に申告するようにしましょう。

デュタステリドの発毛効果

上記のような副作用が懸念されるデュタステリドが、なぜAGA治療薬として認可されたのかは、その発毛効果にあります。どれほどの効果があるのか、見てみましょう。

AGAの原因である「5α-リダクターゼ」を抑制する

テストステロンと5α-リダクターゼ酵素が結合して生成されるDHTは、髪の毛を育てる毛乳頭細胞の活動をストップさせてしまうため、髪の毛が細くなり抜け落ちてしまいます。AGAは早ければ10代後半から発症し、20代から30代で薄毛からハゲへと進行していくのが特徴です。

デュタステリドには、この5α-リダクターゼ酵素の働きを抑制する作用があるため、DHTの生成量を減らすことができ、AGAの進行を防ぐ効果があります。

前頭部や頭頂部のAGAにも効果的

5α-リダクターゼ酵素には、T型とU型があります。T型は、体毛を含め毛がある場所すべてに存在します。U型は、前頭部や頭頂部のみに存在し、なおかつ分泌量が多いため、男性ホルモンと結合しやすいです。

5α-リダクターゼ阻害薬としてAGA治療に使われている成分にはフィナステリドもありますが、これは、T型のみに効果があります。一方デュタステリドは、T型、U型どちらにも作用します。そのため、いわゆるM字ハゲやてっぺんハゲと呼ばれる薄毛や脱毛にも、大きな発毛効果が期待できます。

デュタステリドが配合された発毛剤「ザガーロ」

デュタステリドを研究開発したグラクソ・スミスクライン社より販売されている発毛剤が、AGA治療経口薬の「ザガーロ」です。0.1mg入りと0.5mg入りのカプセルがあり、AGAの症状と医師の判断によって、いずれかを処方されます。

通常は、1日1回の服用で、副作用や体調の変化、成分の効果などを観察しながら、約半年間投与します。日本では、デュタステリドは医師の処方が必要な発毛剤です。自分の薄毛や脱毛症状はAGAが原因かもしれないと思った場合は、まずは育毛クリニックやAGAクリニックでカウンセリングや検査を受けましょう。

そして副作用の心配が少ないと医師が判断した場合に、処方されます。海外から個人輸入したり、輸入代行業者から購入したりする人もいますが、副作用のリスクや偽薬のトラブルがあることを重く受け止めて、医師による診断を受けることをおすすめします。

デュタステリドは、AGA改善に効果が期待できる新しい発毛成分です。ただし、効果がある分、副作用も強く現れるので、医師などの専門家の指導のもと使用しましょう。

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